・おすすめ度
15歳の少年が旅に出る話なので、
海辺のカフカを好きな人にはとってもおすすめ。
・手に取ったきっかけ
青と白が背景になったクジラの表紙がきれいだったので。
・感想
初めての村上龍でした。
舞台は不老不死の技術が確立された未来(2122年)の日本です。
移民受け入れ政策の失敗で、移民側と従前の日本人側とが内紛状態に陥り、社会は荒廃しております。
日本人には各々階級が振り分けられており、かつ他の階級から隔てられ、階級間での交流はほとんど存在せず、上下に階級が存在すること自体意識されていないような状況です。
主人公の少年:タナカアキラ(15歳)は最下層の出身で、父親の遺言により、目的地を「最上層の人物ヨシマツ(176歳)」として、旅に出ます。
一般的に、主人公と同年代の中学生、高校生の時分には行動範囲が広がるので、私も当時、知らない土地に行くのがとても面白かった記憶があります。
本書での旅とは、知らない土地に行くことのみでなく、他所にいるさまざまな人に出会い(実際に対面するのみではなく、通信等を含みこれに限られず。)学ぶことを表現しているのだと思います。
現代社会の悪いところを強調しデフォルメした作品で、『こんな未来には絶対に生きたくない』と思える作品でした。
次も何か
村上龍
を読んでみたいと思います。
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